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ゴールデン・サークル – Golden Circle

季刊誌「考える人」2013年秋号(新潮社刊)の特集「人を動かすスピーチ」から、「インスパイアするリーダーは何が違うか?」のテーマで、コンサルタントのサイモン・シネック(Simon Sineck)へのインタビュー記事に興味を惹かれた。

アメリカをはじめ世界を変えた、”I have a dream”に始まるマーティン・ルーサー牧師による名演説、ここには半世紀を経てなお人々の心を揺さぶるものがあるが、その理由を尋ねられ、「キング牧師には、自身がなぜその行動をとっているのか、理由(Why)が明確だった。」と答えている。

ここに彼が提唱する「ゴールデン・サークル」の中心、WHYが登場する。彼はこう続ける…「いちばん外側にあるのが、WHAT(何)、企業や組織、あるいは個人は、自分が何をしているのかは大体わかっていて、うまく説明できる。次にHOW(手法)。どのような方法で物事を進めているかも説明できることが多い。ただ、核心にあるWHY-なぜそれをしているか-となると、説明できる人や企業が途端に少なくなってしまう。」
そして…「ぼくはある時、気づいたのです。人々を鼓舞し、活力を与えるリーダーや、すぐれた経営者をもつ企業はみな、WHATではなくWHYからスタートしていることに。」

そこで、一例として、アップルの名を挙げて、「我々は、現実に挑戦し、違うものの考え方をする(WHY)。我々は、美しいデザイン、シンプルな操作の製品で現状に挑戦する(HOW)。そして結果として、素晴らしい製品ができる(WHAT)。」というマーケティング手法を紹介している。つまり、「アップルを買う人は、アップルの製品を買うのではなく、その思想やライフスタイルに共感して、アップルのWHYを買うのだと説く。

ゴールデンサークル